オンラインカウンセリングとは?
仕組みと、できること・できないこと
画面越しに話すことだけが、オンラインカウンセリングではありません。まず知っておきたいのは、「オンライン」という言葉だけでは、支援の中身や安全性までは分からないということです。
オンラインカウンセリングとは、相談者と支援者が離れた場所にいながら、ビデオ、電話、チャット、メッセージなどを通じて行う心理的な相談支援の総称です。
ただし、担当者の資格、用いる方法、相談できる範囲、医療との関係はサービスごとに異なります。名称だけで内容を判断せず、「誰が、何を、どこまで、どのような安全設計で提供するか」を確認することが大切です。
「オンライン」と「カウンセリング」を分けて考える
オンラインカウンセリングを一つの決まった技法だと思うと、選ぶときに迷いやすくなります。実際には、次の三つが組み合わさって一つのサービスになります。
どのようにつながるか
ビデオ、電話、リアルタイムの文字相談、時間を置いて返信するメッセージ相談など、コミュニケーションの方法です。
どのような支援を行うか
話を整理する支援、心理教育、特定の心理療法、生活上の相談などです。同じ「カウンセリング」でも内容は同一ではありません。
どのように安全を守るか
担当者の専門性、守秘、個人情報、料金、緊急時の対応、相談範囲、他機関への紹介といったサービスの仕組みです。
利用しやすさは大きな価値です。しかし、つながりやすいことと、その人に適切で安全な支援であることは別に確認する必要があります。JAPOCは、この二つを同時に大切にします。
オンラインカウンセリングでできること
悩みが深刻になってからでなければ相談できない、というものではありません。まだ結論が出ていないことや、うまく言葉にできない違和感も相談の入口になります。
気持ちや考えを整理する
- 何がつらいのか、話しながら輪郭をつくる
- 人間関係、仕事、家族、将来について考える
- 自分の反応や繰り返すパターンを見つめる
生活の中で支援につながる
- 移動、身体状況、育児や介護の負担を減らす
- 住んでいる地域に左右されず選択肢を探す
- 通える時間が限られていても相談を続ける
対処の選択肢を増やす
- ストレスとの付き合い方を一緒に考える
- 具体的な場面で試せる工夫を見つける
- 必要に応じて医療や他の支援先を検討する
早い段階で相談する
- 悪化する前に小さな変化を言葉にする
- 大きな決断の前に考えを整理する
- 予防やセルフケアの一環として利用する
実際に扱える相談内容は、サービスや担当者の専門領域によって異なります。「相談できるテーマ」と「対応できない状況」が事前に説明されているかを確認してください。
オンラインカウンセリングだけではできないこと
利用しやすい一方で、離れた場所から行う支援には限界があります。限界を明確に説明できることも、安心して利用するための重要な条件です。
緊急現場へ駆けつけること
- 生命の危険や差し迫った自傷・他害へ、その場で介入すること
- 救急搬送や安全確保をオンライン相談だけで完結させること
身体を直接診察すること
- 触診、検査、全身状態の直接確認を行うこと
- 身体症状の原因をカウンセリングだけで判断すること
必ず診断や処方を受けること
- 「オンラインカウンセリング」という名称だけで診断を受けること
- 医療機関ではないサービスから薬や診断書を受け取ること
すべての人・状況に合うこと
- 通信環境や相談場所にかかわらず安全に利用できると保証すること
- 対面支援、医療、福祉など他の選択肢を常に置き換えること
オンライン診療とは、目的も制度も異なる
「オンラインで心のことを相談する」という見た目が似ていても、カウンセリングと医師によるオンライン診療は同じものではありません。
| 確認する点 | オンラインカウンセリング | オンライン診療 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 心理的な相談、気持ちや考えの整理、生活上の対処、心理的支援など | 医師が情報通信機器を用いて診察し、必要に応じて治療や処方を行う医療 |
| 担当者 | サービスにより異なる。資格、経験、専門領域の確認が必要 | オンライン診療を行う医師など、医療機関の体制のもとで実施 |
| 診断・薬・診断書 | 一般のカウンセリングサービスでは行わない。医療機関が別途行う場合を除く | 医師の医学的判断と法令・指針に基づき、可能な範囲で行われる |
| 選ぶときの確認 | 相談範囲、担当者、守秘、料金、緊急時の対応、紹介先 | 医療機関、担当医、対面診療との組み合わせ、処方上の制限など |
症状の診断、薬の調整、診断書、強い身体症状への対応が必要な場合は、医療機関への相談を検討してください。カウンセリングと医療は二者択一ではなく、必要に応じて併用することもあります。
ビデオ・電話・文字相談は、体験がそれぞれ違う
オンラインカウンセリングには複数の方法があります。ここでは違いの入口だけを示します。詳しい比較は「相談方法の違いと選び方」で扱います。
顔や声を使って同時に話す。表情を伝えやすい一方、画面に映る範囲や通信環境の影響を受けます。
声だけで同時に話す。顔を見せずに利用できますが、視覚的な情報は共有できません。
文字をリアルタイムに近い形で交わす。話す負担を減らせますが、文面の受け取り方にずれが生じることがあります。
時間を置いて文章をやり取りする。考えて書ける一方、緊急時の即時対応には向きません。
利用前に、最低限ここを確認する
オンラインか対面かを決める前に、次の六つへ答えられるサービスかを確認すると、選択しやすくなります。
基本の確認項目
- 誰が運営し、誰が相談を担当するのか
- 何を相談でき、何には対応しないのか
- 料金、時間、キャンセル、返金の条件はどうなっているか
- 個人情報、相談記録、録音・録画をどう扱うのか
- 通信が切れたとき、どの方法へ切り替えるのか
- 緊急時や対応範囲外のとき、どこへつなぐのか
距離を越えて支援につながれる独自の方法であり、同時に、相談環境や安全性を自分で確かめる必要がある方法です。大切なのは「オンラインだから受ける・受けない」ではなく、今の目的と状況に合う支援を選べることです。
